ヨルイチ兄妹の経緯

現在懸命に生きようとしているヨルイチ。
これまでの経緯と状況を整理しておこうと思います。

↑3月30日の夜にシェルターハウスメルさんからの依頼で、推定生後3~4日の3匹の乳飲み子を保護。
まだ性別がわからないため1号(以降ヨルイチ)、2号、ぶち(以降ミライ)と仮名をつけてお世話開始。

乳飲み子たちの母猫

↑母猫は痩せ細っていて黄疸がでており、衰弱しているとの情報有。
血液検査ではBUNやSAAが高値。BUNが高値だと腎機能障害、消化管出血、高たんぱく食、脱水症などが疑われ、SAAが高値だと感染症、悪性腫瘍、自己免疫疾患、組織壊死などの炎症状態が疑われる。

3匹の乳飲み子たちはヨルイチ110g、2号102g、ミライ109gほど。
初日は2時間毎に2~4mlくらいずつ哺乳し30~39ml程度飲む。
毎日哺乳時間と飲んだ量、体重をメモしていく。
ミルクの種類はワンラック キャットミルク

4月5日までは順調に推移し、体重はみんな200g近くまで増加。
この時点では2号が一番成長率が高く、ミルクの摂取量も多い。
3匹ともほぼ毎日便がでていたが、今までの経験上では初めてのパターン。
これまでの乳飲み子たちは3~5日に一度くらいのペースだった。

4月7日の夕方から2号の摂取量が落ち、夜は2ml程度しか飲まなかった。
翌日8日、2号の摂取量は戻らずさらに下痢が始まる。
他の2匹は変わらず。

4月9日、下痢の始まった2号の体重が少し減ったのでA動物病院へ。
寄生虫は見つからないが腸内細菌のバランスが非常に悪く、それが原因ではとのこと。
念のためお腹のエコーも撮影したが異常はなし。
ミルクを飲まずに体重が減り続けると致命的なため、胃カテーテルでの哺乳の仕方を教えてもらう。
胃腸を動かす薬を注射をしてもらう。

4月10日、2号の体重は維持、元気消失、声も小さい。飲みは戻らずカテーテルでの哺乳を始める。
昼からは他の2匹も下痢が始まりミルク摂取量も減り始める。

4月11日、3匹ともに下痢が続く。
ミルクをシリンジとカテーテルで強制給餌するものの、下痢が酷く体重は大きく減少。
夕方からヨルイチが自力で哺乳し始める。
体重はヨルイチ230g、2号180g、ミライ225g。

4月12日、ミルクをワンラック プレミアム キャットミルクに変更。
2号は変わらず自力で飲めないがヨルイチとミライは自力で飲める様子。
2号にはカテーテル哺乳をしていましたが、元気は戻らず昨日と同じような様子でした。

明けて4月13日午前1時30分、2号の命が尽きてしまいました。
前日の22時30分の哺乳で8mlを飲んだのが最後のミルクとなってしまいました。
状態が明らかに悪くなったりすれば病院に駆け込むこともできましたが、前回の診察後から同じくらいの調子の悪さで推移していたため、様子見の判断をしていました。
とはいえ、赤ちゃん猫にできる治療は多くなくほとんどは生命力頼みのところがあります。病院に行って回復したかといえば難しかったろうとは思います。
お腹いっぱいで送り出せたことだけが慰めです。
ヨルイチとミライは下痢は続いているものの、食欲は戻り自力でしっかりとした量のミルクを飲めるようになってきました。
この日に皆さんからのミルクやティッシュの支援が届き始め、猫を想う温かい気持ちに目頭が熱くなりました。

4月14日、2号の喪失に呆然としながらもヨルイチとミライのお世話を続けます。
この日も昨日に続き、下痢はしつつもミルク摂取量は維持して体重もぐっと増えて少し安心したのを覚えています。

4月15日、ヨルイチとミライは朝からまずまずの食欲でミルクを飲んでいました。
ところが15時30分のミルク時にヨルイチがひきつけを起こしたような様子を見せ、歯を食いしばってミルクを飲ませることもできない状態になりました。
しばらく落ち着かせた後にミルクを飲ませるとそれなりに飲みましたが、先ほどの症状は看過できるものではなくB動物病院へ向かいました。
病院では何事もなかったかのようにケロッとしていて、私も獣医師も困惑していました。
パルボウィルスの検査や糞便検査をしましたが陰性。
検査をすり抜けた寄生虫がいる可能性を考えて駆虫薬(ドロンタール)の処方、下痢の緩和のためビオイムバスターの処方がありました。

4月16日、17日は薬を飲ませて下痢が治まるのを期待しましたが変化なし。
ヨルイチは十分ミルクを飲むものの、下痢ででていくほうが多いのか体重は維持。
母猫は妊娠中から栄養状態が悪かったと推測され、その影響で先天的な未熟さや生育不良があるのではとも考えたりしていました。

4月18日、この日は午前2時の哺乳の時からミライが急に飲まなくなり、カテーテル哺乳をすることに。
ヨルイチ、ミライともに下痢は治らず、体重は維持。
ヨルイチの食欲は良好、ミライにはカテーテルで十分量を飲ませました。

4月19日、ヨルイチは食欲が増し、この日初めて合計100mlのミルクを飲みました。一方でミライはカテーテル哺乳が続いています。
下痢は続いていますが、ミルク量は十分与えて体重はやや増加。
またこの日の夜から下痢しにくいと評判のヤギのミルクに切り替えました。

4月20日、3時30分のミルク時にミライが白いヨーグルト状のものを吐き出す。消化途中のヤギミルクだと推測される。
下痢は続くものの、11時のミルク時からミライが自力で飲み始める。
夕方再びミライが白いヨーグルト状のものを吐き、ヤギミルクの脂肪分だと判断。消化不良になるのもよくないし、2匹とも体重が減少したのでワンラック プレミアム キャットミルクに戻す。

4月21日、ミライは自力でゴクゴクとミルクを飲み始め一安心しましたが、今度はヨルイチの食欲が落ちてしまう。体重は増加。
夕方にB動物病院へ行き、下痢止めのディアバスターと消化を助ける薬(リパクレオン)を処方してもらう。
ヨルイチの下半身が下痢による皮膚炎を起こしていたので、ステロイド(プレドニゾロン)と塗り薬(不明)も処方される。

4月22日、ヨルイチの体重は横ばいの290g、ミライはこの日320gまで増加。
ミルクの量はヨルイチが62mlと少なくミライは86mlで十分。
この日の夜からディアバスターが効いたのか下痢の症状が軽減。

4月23日、ヨルイチが300gをようやく超える。ミライは335gで順調に増加。
下痢症状は維持、食欲は低下。
この日の夜、ヨルイチが急にミルクを飲まなくなりカテーテル哺乳。
日付が変わる頃にはぐったりとした様子になり、努力呼吸が始まりました。
この状態から回復する赤ちゃん猫は経験上いなかったので絶望しました。
明らかに危険な状態で衰弱しているヨルイチを前にしてできることはありませんでした。
このまま看取りになるだろうと歯噛みしていました。
しかし、ぐったりとしてかろうじて呼吸を続けている状態のヨルイチが大きな声で鳴きました。
それは「生きたい」という叫びのように感じられ、私の心は切り刻まれたような痛みを覚えました。
ヨルイチが助かるかどうかは別として、夜間救急に行けば診察はしてもらえる。
そうは思いましたが、保護施設の運営者としては今後の運営資金のことも気にしなければならず、夜間救急での医療にかかる費用は重くのしかかることが明白でした。
本当に情けないのですが、ヨルイチの命と今後の運営資金を秤にかけてしまった自分がいました。
逡巡する私を急かすように再びヨルイチの大きな声を出し、私は夜間救急へ行くために準備を始めました。

午前1時頃に夜間救急へ向かい、診察と治療を終えたのは9時頃でした。
診療の内容を大まかなまとめは以下。

“ひどい貧血が原因で意識レベルはかなり低下している。心拍は正常。呼吸は吸気努力状態でかなり苦しいだろう。レントゲンによると肺は正常に見えるので上部気道に問題があるかもしれない。腸内に謎の塊があるが何かはわからない。腹水はなし。便に血液が混じっているので消化管出血由来の貧血の疑い。出血の原因は不明。下半身の炎症がひどく、皮膚の壊死や脱落がある。皮膚炎でここまで悪くなるのはほとんど見ない。何があったらこうなるのかわからない。もしかしたらステロイドが悪さをしている可能性がある。もしくは先天的な皮膚の病気がある可能性。回復しても断脚しなければならないかも知れない”

治療としては酸素室に入れて輸液、輸血。
消化管の出血に対し止血剤(アドナ、トラネキサム酸)投与。
感染対策に抗生物質(アンピシリン)投与。
腸内の悪い細菌を減らすためベルベリン投与。
ビタミン剤の投与。

治療を終えてヨルイチは生還したものの、状態は悪い。
治療にあたった獣医師もできることは少なく、かなり厳しい状態だとの認識。
かかりつけ医に引き継ぐため、治療内容と検査結果、治療方針を書いた診断書を渡される。
そのままB動物病院へ行き、診断書を渡して緊急対応してもらう。
B動物病院でにできる治療は少なく、入院しても酸素室に入れてあげるくらいしかできないとのこと。
呼吸苦がかなり辛そうだったこともあり、入院することに。

昼過ぎにB動物病院から連絡があり、入院予定だったが閉院後は翌日の開院まで無人になることから家で見てあげた方が良いだろうとのこと。急遽夜に迎えに行くことに。
「できるだけミルクを飲ませる方がいい、目標は1日20ml」と言われたが帰ってすぐ5mlのミルクを自力で飲む。病院では2mlくらいしか飲まなかったらしい。

4月25日、1時45分の哺乳でヨルイチが9ml飲んで大喜びした。
ミライはムラがあるものの自発的にミルクを飲み、体重も増加傾向。
ヨルイチはボランティア仲間さんから借りた酸素室に入れて様子見。昨日よりかは楽そうに見える。
この日B動物病院は完全予約の日だったので、A動物病院へヨルイチ、ミライを連れていく。
ヨルイチは下半身の炎症の処置が何かできないか、ミライは下痢が止まって以降便がでていなかったのと、排泄のお世話の際にティッシュに黒っぽい汚れが付くのが気になり連れていった。

B動物病院でも夜間救急でもらった診断書を事前に渡しておいた。
診察の際、獣医さんは険しい顔でこの状態は厳しいですねと入ってきたが、少し状態の良くなっていたヨルイチを見てキョトンとしていた。
ヨルイチの下半身の炎症については、皮膚組織を顕微鏡で見たところ黄色ブドウ球菌が大量に発生しているのがわかった。これもまた「こんなに大量に発生しているのはめったにない」とのことで驚いていた。そしてまた「なぜこうなったのかはわからない」らしい。
B動物病院の獣医さんの見立てでは、この大量の黄色ブドウ球菌が全身に回って状態が悪くなっている、つまり敗血症の可能性もあるとのことだった。

考えてみると、2号の時もヨルイチの時も腸内の細菌バランスが悪いと言われていました。
腸内に黄色ブドウ球菌が大量に発生していたとしたらどうでしょうか。
黄色ブドウ球菌が腸管出血を起こし、下痢により大量に体外にも溢れ、ヨルイチの下半身に皮膚炎を起こし、さらにその傷から感染して全身に回って敗血症。当然貧血も起こる。
私の素人考えでもこの黄色ブドウ球菌が諸悪の根源のような気がします。
原因不明よりかは原因があったほうが気持ちが楽なので「黄色ブドウ球菌が原因だ」と思いたいだけかも知れませんが……。

4月26日、ヨルイチは昨日より少ししんどそう。ミライ早朝のミルクは飲まなかったものの、それ以降は十分な量を飲んでくれて370gまで体重が増えてきました。ヨルイチは305g。
ヨルイチはカテーテルで哺乳する時もあれば、自分で少し飲むこともありといった具合です。

そしてまた新しい乳飲み子の保護依頼が……。

ヨルイチが一番危なかった24日に比べれば、少しは良くなっているのは間違いなく、願わくばこのまま少しずつでいいから回復していってほしいです。断脚やら何やらはとにかく命が確実に守られる状態になってから考えます。

ヨルイチ、よく頑張ってる。本当にえらい子だ!


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