猫エイズ(猫後天性免疫不全症候群,FIV)

猫エイズとは

正式には猫後天性免疫不全症候群、FIV=ネコ免疫不全ウイルスにより引き起こされる症状群を指す。
一般的には猫エイズと呼ばれることが多い。

FIVの主な感染経路は、交尾、ケンカで噛まれることです。
食器の共有や毛繕いによって感染することもありますが、上記に比べると感染しづらいようです。
母子感染も確認されていますが、必ず感染しているわけではありません。猫エイズ陽性の母猫から生まれた仔猫は、FIVに対する抗体を持っているので検査では陽性とでますが擬陽性の可能性もあります。
幼猫時に検査して陽性だった場合は、半年後にもう一度検査してみることをおすすめします。
また外で噛まれて帰ってきた猫の感染の有無を検査するには、抗体ができるまで時間がかかるので2カ月後くらいに検査することが重要です。

このウイルスが人間や犬に感染することはありません。

症状

感染していても発症するまでは元気に過ごせます。10年以上発症しない猫もいますし、発症しないまま寿命を迎えることもあります。ストレスにより発症する可能性が高まるといわれているので、ストレスの少ない生活をさせてあげることが大事です。

基本的に以下のような経過を辿ります。
急性期 感染後しばらくして、発熱やリンパ節に腫れが見られるが、無症状であることもしばしば。

無症状キャリア期 感染しているものの特筆する症状はなく、外見上は健康な状態。この時期が長く続き、寿命を全うする猫もいる。できる限りストレスのない生活をさせてこの時期を維持してあげるようにしたい。

持続性リンパ節症期 (PGL期) 免疫力が下がり、再びリンパ節が腫れる。外観からの判別は付きづらい。発症の前兆ともいわれる危険な兆候。 2から4カ月

エイズ関連症候群(ARC期) 口内炎、風邪様症状、気道の炎症、皮膚病、下痢や発熱などが起こり、それに伴って体重の減少がみられるようになる。

エイズ期 免疫不全が進行し、上記の症状が悪化したり、様々な日和見感染症に罹患する。著しく体重が落ち、貧血、悪性腫瘍なども発生し、数カ月のうちに命を落とす可能性が高い。

治療

残念ながら完治させるための有効な治療はありません。できるのはそれぞれの症状に応じた対症療法で、苦痛を軽減させてあげるくらいとなります。

まとめ

FIVに感染してしまうと、基本的にウイルスを排除することはできません。
ですので、感染させないということだけが有効な手段となります。
飼っている猫が外に遊びにでて、喧嘩をして帰ってくれば感染の可能性があります。
猫の体は毛に包まれていて、出血の少ない傷などは非常に見つけづらいことがあります。
外に猫を出すことで、感染リスクが発生しますし、すでに感染している可能性もあります。
すでに感染していた場合、他の猫とケンカをすることで感染を広げてしまうことも起こります。

人それぞれの価値観で猫と接しているのは重々承知ですが、猫を外に出すのは非常にリスクの高い行動だと管理人は考えています。




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