過酷な冬を迎える野良猫たちにできること

11月になり、朝晩は冷えるようになりましたね。
そろそろ車の発車前には猫バンバンをしないといけない時期です。

冬は猫にとって過酷だと知る

猫バンバン

猫バンバン(ねこバンバン、: Knock Knock Cats)とは、自動車のエンジンルームやタイヤの間に入り込んだを逃がすためにボンネットをバンバンと叩く行為、およびそれによって猫の安全や生命を守る取り組みである。日産自動車により提唱され、同社にて商標登録されている(第5901408号)が、他の自動車メーカーなどにも拡がりをみせている

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

寒い時期に関わらず、車を動かすときはなるべくやりましょう!
ドアを開ける前に軽くたたくだけで、100%ではありませんが悲惨な事故を減らせますからね。
JAFが行ったアンケートでは7人にひとりが実際に猫が隠れていたと答えたそうです。結構多いですよね。

寒さ

冬の野良猫が置かれる環境は過酷です。

冬の寒さの中では体力のない仔猫や老猫、体調を崩している猫(猫に限りませんが)などは生き延びることが難しいかもしれません。 残酷なことですが、毎年繰り返される自然の営みなんですよね。

人間に対しても寒さによる影響は多岐に渡りますが、同じ哺乳類で陸上生活をする動物にとっても同じです。

寒冷の人体への影響
・末梢血管が収縮し、血圧が上昇する。
・筋肉の動きが悪くなり、手作業がしにくくなる。
・排尿の回数が増えて気づかないうちに脱水が進行する。
・足の末梢部(指先)の血液循環が著しく阻害される。
・冷たい空気を大量に吸入することで気管支の炎症が起こりやすくなる。
・身体の内部の温度が低下すると、警戒心や論理的思考力が低下する。

寒冷環境で配慮すべき疾病、傷害
・低体温症
・凍傷
・脱水症
・低温やけど
・ぜんそく、気管支炎
・インフルエンザ
・一酸化炭素中毒
・脳卒中(脳梗塞、脳出血など)
・冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞など)
・薬の副作用
・リウマチなど

独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 寒冷環境下での作業に伴う健康リスクと予防方策

上記のようなことが外にいる猫にも起こってしまいます。
冬のアスファルトやコンクリートは非常に冷たく体温を奪いますし、いつもの水場は氷が張るほど冷えているかもしれません。口内に異常のある猫は冷たい水を飲むのを嫌いますから、より脱水症状に陥る可能性が高まってしまいますね。
体温を維持するために食事をしなければいけませんが、小動物たちも同じように寒さに震えており、巣穴にこもったままになりがちです。ヤモリなどの爬虫類は冬眠していますし、お手軽に捕食できる昆虫類も冬にはほとんどいなくなってしまいます。
飢えた猫は人間のゴミを漁りますが、上記にあるように体温が下がると警戒心や思考力が低下します。結果、ゴミを漁っている現場を人間に見られ追い払われたり、車にはねられる可能性も高まるかもしれません。

寒さや飢餓、体温低下がストレスとなり免疫力が下がると、体調を崩す猫も多くなり感染症の流行が起こるかもしれません。エイズや白血病のキャリア猫は小康状態が崩れ発症する可能性が高まります。
本当に冬は野良猫にとって、非常に過酷な季節ですね。

どうすればいいのか?

EirenaによるPixabayからの画像

私たちが過酷な冬を生きる野良猫たちにできることは何でしょう?

寒さに震え、体調を崩している猫を見れば可哀想だと思う人が大半です。
可哀想な猫に、餌をあげたり寝床を用意すれば、冬を生き延びることはできるかもしれません。
そして春を迎えれば繁殖が始まります。
仔猫がたくさん産まれ、その半数以上が生き残れません。
野良猫たちは生まれた瞬間から兄妹との生存競争が始まり、兄妹たちを足蹴にして母猫の母乳を奪い合います。また母猫は弱い仔猫を優先することはありません。
たくましく生き延びた仔猫が、1歳になる前に過酷な冬を迎えます。
可哀想な猫はかわらずそこに居ます。そしてまたたくさんの仔猫が生まれます。

増えた猫による糞尿被害が起これば、猫が嫌われものになります。
発情期や喧嘩の声で起こされれば、怒りの矛先が猫に向けられます。
ボンネットの上に乗られたり、家の外壁で爪を研がれたりもします。
それを許せる人もいるし、許せない人もいます。

家猫として迎え入れたり、TNR(捕まえて避妊去勢後リターン)やTNTA(捕まえて避妊去勢後人馴れさせて里親探し)できれば理想的です。
しかし、そのためには労力、時間、お金がかかります。
そのコストを払えない場合”日本の冬は野良猫にとって過酷である”という認識を持つくらいしかできることはありません。
ですが、ひとりひとりが認識するというのは非常に重要で、それが社会通念になれば、過酷な環境に晒される猫は自然と減るはずだと思うんです。
大半の人は、積極的に猫を過酷な環境においておきたいとは考えていないはずですから。

管理人個人としては……

冬の間、ごはんやお水、寝床などを用意してあげる(所有している敷地内に)というのを否定したくはありません。
過酷な状況を見て、何かをしてあげたいと思うのは当たり前の感情ですし、だからといってそこに高いコストを払えないというのも心情的に理解できます。
一方その行為が、無責任で自己満足であるという意見があることもわかります。

寒さに凍える命を前に、誰しも常に最善策を用意できるわけではありません。
だからといって、見過ごせと言う勇気も管理人にはありません。

もし、冬の間に野良猫と仲良くなったら、もう一歩先まで関わってほしいなとは思います。
労力がなくてもお金がある、お金がなくても労力がある、どちらもなくても時間があるなら保護団体が相談にのってくれるかもしれません。

ねころび荘は、そういう人の手助けができるように、活動していきたいと思っています。


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